退職代行とは
若い世代での離職や転職が珍しくなくなり、会社を辞める際に退職代行サービスを利用する若者が増えてきていると言われています。
「明日からもう会社に行きたくない」
「心が重くて家から一歩も出られない」
「辞めたいけど、退職しようとすると周りから何を言われるかわからない」
退職代行サービスとは、このような自分で退職する手続きができない人のために、働いている本人に代わって、退職する旨を勤務先に連絡してくれる代行サービスです。
つまり、苦手な上長や嫌な会社に、自分で退職をする旨を伝えずに辞められるので、転職が当たり前になってきた現代に必要とされるサービスですが、実際は10年くらい前から存在しています。
新入社員や中途入社で会社に入ったものの馴染めずに気分を病んでしまったときや、ブラック企業から抜け出したいときなど、自分で会社と交渉することが難しいときに使うと便利なサービスです。
退職代行業者を利用するメリット
退職代行サービスを利用する最大のメリットは、勤務先の人と直接話す必要がない、もう顔を合わさなくてもよい、ということです。このサービスを使おうとする心情は、「明日にでも辞めたい」というような、おそらく切羽詰まったギリギリの状態である場合が多いでしょう。そのため、職場の人とはもう一切関わりたくなくなっていて、ましてや退職の相談などできない状況にあると考えられます。それを一手に引き受けて代行してくれるサービスとなれば、今すぐにでも活用したくなるサービスです。そこで、利用方法や詳細、注意点などについてご紹介します。
退職代行サービスの利用方法
退職代行サービス利用の流れは、以下のとおりです。
代行サービス業者に相談→費用の振込→希望日時に担当者が会社へ連絡
まずは、代行サービス業者へ連絡をします。その際、LINE、電話、メールでの連絡が可能です。ヒアリングシートが送られてくるのでそれに記入し、返信します。このとき、まだ退職の意思が固まりきっていなくても大丈夫です。気軽な相談から始めて、詳細を確認してください。
そして、退職代行サービスを利用することになると、決められた金額を銀行振込か、クレジットカードで支払いをします。銀行振込の場合は、翌日扱いになることもあるので、その日に辞めたいときは気を付けてください。
振込が確認されると、代行サービスの担当者が、指定した日時に勤め先に連絡をします。このとき、自分自身は勤務先と話す必要は一切ありません。やり取りは、代行サービス担当者がすべて電話で行ってくれます。
その後、担当者から退職が受け入れられた旨の連絡が来れば、終了です。その後、退職手続きに必要な用紙が送られてくるので、それに記入して返信してください。
即日退職は可能なのか
退職代行サービスを利用する人にとっては「今すぐ辞めたい」というのが本音でしょう。そのため、即日退職できるかどうかが最も気になる点であると思います。退職する、と業者に代わりに伝えてもらった後に、会社に出社するのは最も避けたいはずです。退職代行業者のホームページなどでは、「即日対応可能」と書いていますが、「即日退職が可能になる」とはっきりと言っていないところがほとんどです。しかし、その実態は、「連絡を受けてすぐの営業日に対応するので、ある要件を満たしたら実質的には即日退職をすることができる」という意味を表しています。では、どのような要件を満たすことができれば、即日退職になるのか、見ていきます。
法律上の退職ルール
まず、退職代行について法律の側面から考えていきます。退職代行業者による即日退職は、民法や労働基準法に則った方法での退職であるので、心配する必要はありません。
① 民法はどのように言っているか
退職を伝える時期について、民法ではこのように述べています。
「第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。引用元:民法」
つまり民法によると、無期雇用労働者である正社員労働者は、2週間前に退職の旨を伝えれば退職することができます。そのため、会社の就業規則で「一ヶ月前に退職する旨を上長に伝える必要がある」と決められていたとしても、基本的には民法の「2週間」が優先されます。また、退職の理由は、人間関係の悩みや仕事が合わないからなど、どんな理由でも退職できます。
② 労働基準法に書かれていること
即日退職をするためには、この民法に記載された2週間前の退職の申告に加え、労働基準法による有給についての記載が参考になります。
「第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。引用元:労働基準法」
つまり、労働基準法では、全労働日の8割以上出勤していて、入社から6か月以上経っている者に対しては、10日間の有給の付与を保証しています。これを踏まえると、退職代行サービスにより退職の旨を伝えるときに、2週間以上の有給休暇が残っていれば、退職するまでに出社する必要がなくなり、晴れて自由の身となります。
有給休暇の残日を調べよう
この有給休暇の日数が、即日退職を可能にする要件です。有給休暇は、勤務期間が長くなればなるほど増えるので、何日残っているか事前に調べてください。有給休暇には期限があり、それが過ぎると消滅してしまうので、総務部に問い合わせるなどをして確認してください。
また、稀にブラック企業で「うちの会社には有給休暇などない」と主張するところがあるようですが、上に記載した労働基準法に照らし合わせるとその主張は認められません。しっかりと自分で計算して、残日を確認してください。そして、代行サービスに連絡をしてもらうときに、有給の日数を伝えてもらい、有給消化をしてから退職できるように話を進めてもらってください。こうすることで、即日退職が可能になります。
一方、有給休暇を使ってしまっている場合や、入社して6か月以内であると、残念ながら即日退職をすることはできません。それでも待てない場合は、会社と協議するしか方法はありません。
企業は退職前の有給消化を断れるのか
有給が14日以上あり、退職代行サービスを利用して、有給を消化する方法で即日退職をする場合、企業はそれを拒否できるのでしょうか。その答えは、ノーです。企業には、例えば繁忙期に有給取得日をずらすことができる「時季変更権」があるのですが、退職者に関してはそれを行使することができません。なぜなら、その時期をずらす日程が、退職者の場合は退職後しかないからです。そのため、退職者は退職前にまとめて有給申請をすることができるので、即日退職が可能になります。
社宅に住んでいる場合や借りている備品
退職代行サービスの利用により、即日退職が可能になることがわかったら、次のステップです。まず、社宅に住んでいる場合は、退職日までに荷物をすべて持って引っ越す必要があります。しかし、有給消化中であれば、まだそこに滞在することができるはずですが、次に住む場所や荷物の移動先に関しては、スムーズに出て行くためにも退職前に決めておく必要があります。
また、会社から支給されたネームカード、制服、勤怠カード、携帯電話などは、郵送で会社に返却することで対応可能です。その旨、退職代行業者に伝えてもらってください。この点も、もう職場の人と顔を合わせる必要がないので、心配いりません。
退職代行業者を利用する注意点
本来、退職代行サービスは「辞めたいけど、そんなことを上司に言ってしまったら酷い目にあわされそう」と、普段から精神的に追い詰められ、苦しんでいる人を楽に退職させてあげるためのサービスです。しかし、そのサービスの普及にあやかり、偽の業者も存在するので申し込む際には気を付けなければなりません。どの業者を利用するか、しっかりリサーチしましょう。
また、きちんとサービスを実施している退職代行業者であっても、法律家ではないので会社と交渉や協議をすることはできません。もちろん、即日退職は労働基準法と民法に則って行うことができますが、急な退職によって会社に損害をもたらした場合や、有給取得についてなど、会社側から交渉を依頼してくる可能性がありますが、業者ではそれに対応することはできません。また、こちらとしても未払い賃金など請求がしたくても、その交渉を退職代行業者に依頼することはできません。
ここで、偽の業者を利用してしまうと、勝手に法律に関することを会社と話して交渉をしたり、退職者の家族になりすまして電話をしたりと、後のトラブルにつながることを引き起こしかねません。依頼をする際は、トラブルを避けるためにも、代行サービス業者の実態を必ず確認するようにしてください。
退職代行は弁護士に依頼すると安心
トラブルを避けるために、弁護士に依頼することをおすすめします。値段は業者よりも高くなることが多いですが、初めから弁護士に退職の処理を依頼すると安心でしょう。そうすることで、会社と協議や交渉になっても、自分がそこに出る代わりに、弁護士が合法的に対応してくれます。また、代行業者が対応できない残業などの賃金の未払いに関しても、弁護士なら交渉可能なので、安心して任せることができます。
以上の点を考慮すると、即日退職をする際は、トラブルが発生するケースも考えて弁護士に依頼する方が無難と言えるでしょう。
退職代行サービスをよく利用する業種
さまざまな業種がある中で、退職代行サービスの利用率の高い職業があります。2つ例を挙げて、内容をご紹介していきます。
1.保育士
意外かもしれませんが、保育士の仕事をしている人は、退職代行サービスをよく使う傾向にあります。保育士の仕事というと、いつも笑顔で子供たちと遊んで楽しそう、というイメージがありますが、実際のところは重労働で、さまざまな問題点があるようです。
保育士さんからよく聞く悩みは、以下のとおりです。
① 持ち帰りの仕事が多い
教室での飾りつけやピアノの練習など、時間内で終わることのできる業務が少なく、残業代のつかない自宅での作業を強いられてしまいます。これが続くと、プライベートと仕事との切り替えが難しくなってしまい、さらに睡眠時間が削られて、心身ともに疲れ果ててしまいます。
② 行事が多い
卒園式、入園式、運動会、音楽会、遠足、保護者会など、エンドレスな行事の準備に年中追われてしまい、サービス残業が続いて疲れ切ってしまう保育士さんが多いようです。一つ行事が終わって、「やっと終わった」と一息つく暇もなく、また次の行事がやってくるので、気を緩めることができない状態が続いてしまいます。
③ 保護者対応に疲れる
少しの怪我や衣服の汚れで文句を言ってきたり、可愛く作った巾着袋やお弁当を、担任の先生に褒めてもらおうとしてきたりする親がいます。また、お遊戯会の配役に文句をつけたり、自分の子供の出番が少ないことに不満を言ってきたりすることもあります。そのようなモンスターペアレンツの対応に追われて、胃がきりきりして、気遣いが辛く負担に感じる保育士さんも少なくありません。
④ 給料が安い
手取りの給料が20万円を切ることが多く、子供の命を預かった大切な職業で、体力勝負の仕事にもかかわらず給料が少ないという不満が多く見られます。やはり給料はやる気のモチベーションにつながるので、同年代の他の会社員よりも低いとすぐに辞めたくなってしまいます。
⑤ 女性の多い職場環境でストレスが溜まる
派閥やいじめなど、女同士特有のネチネチとした人間関係に悩む人も多く見られます。子供との接し方が自分と違うと文句を言われたり、上長から褒められると嫉妬されたり、一度目をつけられると大変です。機嫌が悪いと挨拶をしても無視されるので、小さなことで心は傷ついて疲れ切ってしまいます。保護者や上司だけでなく、同僚にも気を遣わなくてはいけないので、ストレスがマックスになってしまいます。
⑥ 園長の言うことは絶対で逆らえない
園長がワンマン経営だったり、後継ぎで園長の地位を得た2代目だったりすると、保育士の意見が聞いてもらえにくい環境の可能性があります。そして、保護者の目を気にするあまり、保護者からクレームが入るたびにルールや方針を変えて、それに振り回されてしまいます。また、人前で罵倒されたり、大声で叱ったりする園長もいるので、上下関係が厳しく退職の意向を伝えにくい状況です。
⑦ 子供が可愛くない
いざ子供と接してみると、子供とも相性があり、全員が可愛いとは感じないことに気づきます。生意気な子供や、意地悪をして手に負えない子供もたくさん出てきます。他の先生や保護者の目が気になって、しっかり叱ることができず、それもストレスになって子供の顔を見たくなくなってしまうケースがあります。
保育士の仕事は辞めにくい
つまり、拘束時間や仕事の量と見合った給料が支払われず、職場環境や人間関係に問題があれば、いくら子供好きであっても限界に来てしまいますね。勇気を出して退職の希望を相談してみても、「もう少し待って」「次に働く人が決まってから」「今辞められると困る」などと言われ、気が付けば1か月以上放置されている状態ということもよくあります。
また、1年を通して子供の成長を見届ける職種であることから、途中で退職しようとすると、周りに引き留められやすい職業でもあります。周りに相談しても、「1年生が卒園するまで待ってみたら?」「1年の途中で辞めたら園児がかわいそう」と言われるかもしれません。そして、自分自身が子供を好きな場合、急に辞めるのは子供に悪いことをしているように感じてしまい、なかなか退職に踏ん切りがつかないこともあります。
上に記載したとおり、2週間前に言えば退職することが可能ですが、そういった法律を知らなかったり、心身が疲れ切ってしまい考える力がなくなっていったり、子供のことが気がかりであったりすると、退職するきっかけをつかめないままになってしまいます。そんなときに退職代行サービスを利用して即日退職に踏み切ろうとしますが、事前に知っておいた方が良いメリットや注意点があります。
保育士さんが退職代行を利用するメリット
① 園で勤める人や子供の顔を見なくてすむ
退職代行サービスの最大のメリットは、もう職場の人たちと顔を合わせなくて済むことです。有給休暇が充分に残っていれば、即日退職も可能になります。さらに、保育士さんの場合は、子供好きの人が多いので園児の顔を見ると、決意が揺らいで退職することに罪悪感でいっぱいになってしまうかもしれません。そんなときに代行サービスを利用すると、縁をばっさりと切ることができるので、後ろを向かずにそこを抜け出し、次に進むことができるようになります。
② 言いにくいことを代わりに伝えてくれる
もし自分で退職することを電話で伝えたとしても、「またこの話か。今度ゆっくり話しましょう」と、真剣に取り合ってくれないかもしれません。しかし、業者や弁護士が代わりに「〇〇さんの退職代行としてお電話しています」と連絡をしてくれば、園の人も「えっ、どういうこと?」とびっくりして、対応せざるを得なくなってきます。このように第3者が間に入ることで、スムーズに即日退職まで進めることができるようになります。
保育士さんの退職の際の注意点
では、保育士さんが退職代行サービスを利用して退職する場合の注意点をご紹介します。
① 保育士ワーカーを利用している
保育士専門の転職エージェントである「保育士ワーカー」を利用して、その園に就職した場合、そのエージェントには自分で連絡し、状況を伝える必要があります。園自体には、退職代行業者が代わりに連絡をしてくれます。
② 寮を利用している
保育士さんは給料があまり高くないため、一人暮らしが難しく、寮を利用することが多く見られます。その場合、退職となった日には必ず寮を出るようにしてください。しかしその際、払う必要のない礼金や敷金などの請求書が届いていたとします。その場合は、代行サービス業者は交渉することができないので、自分で伝えることが難しいときは弁護士に代行をお願いするとして、交渉などをしてもらうと安心です。
辞めても保育士の仕事はたくさんある
退職代行サービスを使って即日退職できたとしても、次の仕事が見つかるか心配になるかもしれません。しかし今は、20代は約4割、30代は8割が転職経験者であると言われています。さらに、保育士の仕事に関しては、求人数は年々増え続けており、保育士1人当たりに対し、求人数は3~4件あります。保育士資格と経験が少しでもあれば、いつでも保育士の仕事に戻ることができます。
「1つの場所で一生働き続けなければいけない」という考えはもう古くなってきている時代です。うつ病や過労で倒れてしまうと、社会復帰するのに時間を要してしまいます。必要以上に苦しんだりせず、代行サービスを利用して、新たな一歩を踏み出すことも時には大切です。
2.介護福祉職
保育士のほかに、退職代行サービスの利用で最も多いと言っても過言ではないのが、老人センターやデイリーサービスなどで働く、介護福祉職に就く人たちです。なぜ利用者が多いのかその理由を考えていきます。
介護福祉士の悩み
介護福祉士の悩みは、以下のとおりです。
① 給料が安い
介護福祉士の給料は、日本の平均年収よりも低いことが一般的のようです。重労働にもかかわらず、給料が安いためモチベーションが上がらず、自己犠牲が強くなってしまう職業となっています。ボーナスカットがあったり、車送迎の際の駐車場代を自腹で支払うことがあったりと、仕事の量と給料が割に合わない条件であるため、退職を考える人が増えています。
② 責任が重い
介護職は、人の命を扱う大切な仕事です。直接人と関わって仕事をするので、日常生活を助けてあげると、本人や家族から感謝を言ってもらえることもあり、とてもやりがいのある素晴らしい仕事です。しかし同時に、責任の重い仕事でもあります。ミスを起こさないように、疲れているときでも気を張っていなければなりません。
介護をする際に相手の体を抱えたり、車椅子を動かしたり、自分の体にも負担がかかります。介護事故が起こってしまったら、介護をしていた患者さんだけでなく、ニュースで取り上げられるなどで働いている施設の評判が落ちて、会社にも大きな迷惑をかけてしまうので、毎日の行いひとつひとつの責任が重い仕事です。そのストレスに耐えられなくなってしまうと、退職や転職を考えるようになっていきます。
③ 重労働
介護業界は常に人材不足です。そのため、老人ホーム施設で勤務するとき、朝晩や遅番など、きついシフトを組んで働かざるを得ないことが多々あります。介護だけでなく、体のリズムが整いにくいシフトも、重労働になる原因の一つです。「休ませてほしい」と頼むと、「他の人も働いているから、あなただけ休ませることはできない」と言われたり、シフト管理が甘かったりと、ブラック企業のような扱いをしている会社も少なくありません。そして人が辞めていき、給料が安いので人を雇うことが難しく、また人材不足に悩む、という悪循環に陥っていきます。
④ キャリアアップが難しい
このようなブラックな業界で、今日の現場を回すことに必死ですから、社員教育の制度が整っているところがほとんどありません。すると、仕事の目標を持つことができないので、やりがいが薄れてモチベーションが下がっていくことになります。どれだけ毎日きつい仕事を頑張っても報われない気持ちになって、重労働の仕事で体力が奪われ、さらに前向きな気持ちを失っていってしまいます。
介護福祉士はなぜ辞められないのか
このような環境下で働いているにもかかわらず、なかなか辞められず不満を溜めながら働いている介護福祉士も多くいます。では、本当に辞めたい気持ちがあったとしても、なぜ環境を変えられないのでしょうか。その理由を検証していきます。
① 自分がいなくなった後が心配
介護福祉士の仕事は、大きな責任を伴う仕事であるため、自分が辞めてしまったら現場は回るのだろうか、と心配してしまって辞められない人が多く見られます。特に、長男・長女気質の責任感が昔から強い人が、辞めた後の現場の心配をする傾向があります。しかし、どの職場でもそうですが、人材不足であっても現場は何とか回っていくものです。そのことを理解したうえで、自分の人生を大切にする一歩を踏み出す必要があります。
② 引き留められる
退職を職場の人に相談すると、引き留められることがほとんどのようです。「もう少し頑張ってみようよ」「私も辞めたいけど、何とかここまで続けられているよ」と、なんとか自分たちの中に取り込もうとします。まだ退職の意思がそれほど固まっていない場合、集団の雰囲気に負けて、辞められずにずるずると続けてしまいます。
③ 人間関係の悪化を恐れる
また、職場の人に退職したいと希望を伝えると、「私はこんなに我慢しているのに、あなただけ辞めようとするなんて最低だ」と思われて、職場環境が悪化してしまうのではないか、と心配してなかなか言い出せないケースもあります。介護職はチームプレイやコミュニケーションが大切な仕事です。そこで自分だけ抜けようとしていることがばれると、居場所がなくなってしまうのではないか、と考えるあまり言い出せなくなってしまいます。
④ 重労働で鬱っぽくなっている
きついシフトで重労働の仕事を続けていると、心も病んでいってしまい、鬱っぽくなってしまうことがあります。すると、冷静な判断ができなくなって、心を閉ざして何も感じないようにしてしまい、ただ時間が過ぎるだけの人生を過ごしてしまいがちになります。こうなってしまうと、人生に前向きな変化を起こすどころか、苦しみがつきまとう毎日となってしまうでしょう。
⑤ 辞めた後が不安
これはどの職業でもそうですが、退職後どうすればいいかわからないために、辞めたいけれどもなかなか退職の希望を上司に言い出せないケースです。辞めて生活はしていけるか、次の仕事はすぐ見つかるか、条件が下がってしまわないか、など、いろいろな不安がつきまとってしまうため、退職に踏み出すことができません。
退職代行を利用するメリット
このような場合、最難関である退職の連絡を会社にしてくれて、話を取りつけてくれるのが、退職代行サービスです。上記のように、退職が言い出しにくい環境であったり、心身ともにダウンしたりして、自分で退職のための行動を起こしにくい場合、退職代行サービスを利用することによって、その一歩を後押ししてくれます。弁護士による代行サービスであれば、面倒な交渉も請け負うことが可能です。
代行サービスを利用して、有給を使い即日退職が可能になれば、ストレスから解放されて視野が広くなり、今後のことも考えやすくなります。確かに将来のことが不安かもしれませんが、まずは手放すことによって、次のチャンスが訪れるのです。最悪なケースは、一人で悩み苦しんで自殺してしまうことです。それを避けるために、利用できるサービスを使って、自分を救い出すことが大切です。
保育士と介護福祉士の共通している点
退職代行サービスの利用が多い職業は、営業職や製造業など他にもありますが、ここでご紹介した保育士と介護福祉士の仕事には、共通点がいくつかあります。それは、人と直接関わる仕事だということです。保育士は園児、介護福祉士は患者さんの命を預かっている重要な仕事です。そのため、責任の大きい仕事であることも、退職を相談しづらくなる原因のひとつです。さらに、重労働で拘束時間が長いにもかかわらず、低賃金である点も似ています。心身ともに追いつめられて、責任感があるためギリギリまで頑張ったけれど、どうしても我慢できなくなって限界を超えたときに、退職代行サービスを使うことになるのでしょう。
まとめ
以上が、退職代行サービスの詳細でした。退職代行サービスを使わずに、双方合意の上退職できるのが一番ですが、会社側が退職を受け容れてくれない場合、話し合いもすることができません。そのようなトラブルを解決するのが退職代行サービスです。どんな仕事に就いていても、我慢しすぎずにどうしても辞めたいときは、退職代行サービスを利用しても良い、ということを覚えておいてください。そして自由を手に入れて、次の一歩を踏み出して行ってください。