【弁護士の退職代行サービスを徹底解説!弁護士でない退職代行サービスとの違いを大調査!】

ネットやニュースを騒がせるブラック企業。ほぼ休みのないシフトや残業代のつかない時間外作業が発生してしまう職場、パワハラが横行している職場など「もしかしたら自分が働いている職場もブラック企業かも」と思うことはありますよね。でもブラックな職場だからこそ、退職したいです、となかなかか言い出しにくいもの。退職意思を伝えたとしても受理してもらえなかったり「代わりの人を連れてこないとやめさせない」と言われてしまったり。そんな方におすすめしたいのが退職代行サービスなのです。

・退職代行サービスとは?

退職代行サービスとは、第三者が会社との間に入って、退職届けを提出してくれるサービスを言います。 NHKのクローズアップ現代で取り上げられてからというもの、一般的な知名度が上がり、代行サービスの利用者も増えたと言われています。 パワハラが横行している職場の場合、そもそも退職したいと言い出すことができない雰囲気すし、退職届を提出したとしても受理してもらえない、ということもよくある話です。また他の同僚の目が気になってしまって退職の意思を言い出せない人も多いものです。 なかなか退職の意思を言い出せない場合には、退職代行サービスはとても頼りになるサービスですよね。

●退職代行サービスを利用するメリット

退職代行サービスを利用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。 1、退職の意思を代わりに言い出してくれるので、気弱の人でも安心 退職の意思というのは、なかなか言い出しにくいものです。それがブラック企業やパワハラが横行しちえる職場であるのならば、なおのことですよね。 退職代行サービスは、自分と会社の間に入って退職届を提出してくれるサービスですので、退職の意思をなかなか言い出せないという方におすすめのサービスです。 2、退職届けをなかなか受理してもらえない場合でも安心 退職代行サービスの中には弁護士資格を持つ人が代行してくれる業者もあります。弁護士資格をもった退職代行サービスでは、違法性を会社に訴えることでスムーズに退職までをサポートしてくれます。 3、同僚の目が気になる人でも退職できる! 職場を辞めたい人はたくさんいるのに、みんな言い出せずに我慢して働いている、という場合、自分ひとりが退職届を出してしまうと、同僚の目が気になってしまいますよね。「あの人やめるんだって」と退職日までの間、白い目で見られたり、どこかよそよそしい、ギスギスした雰囲気になってしまうこともあります。 退職代行サービスでは、本人に代わって退職届けを出してくれるサービスなので、同僚の目も気になりません。 4、申し訳ない、という情がある場合でもやめられる! 企業そのものはブラックだったとしても、直属の上司はとても良い人で申し訳なくてなかなか言い出せない、という人もいることでしょう。退職代行サービスを利用すれば自分で退職の意思を言いだすわけではないので、情に流されずに退職することができます。

●退職代行サービスには、どのような業者があるの?

退職代行サービスには弁護士資格を持たない人が代行する、いわゆる「民間サービス」と弁護士資格を持つ人が代行する代行サービスがあります。それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリット、デメリットについてまとめてみました。

・弁護士資格のない退職代行サービスのメリット

1、安価 弁護士資格を持たない業者の退職代行サービスは、弁護士の退職代行サービスと比べてサービスの利用料が安価に設定されています。仕事を辞めてしまったら収入がしばらくの間経たれてしまいますから、サービス使用料が少しでも安いのはありがたいですね。 最近では、退職代行サービスの利用者増加に伴ってたくさんの退職代行サービス業者が設立されていますから、価格競争が生まれ、数年前と比べてサービス利用料の相場はどんどん値下げの傾向があります。 2、親身になってくれる 弁護士資格を持たない退職代行サービスは、退職代行のサービスそのものが仕事であるので、一生懸命に新味になってくれる傾向があります。 弁護士資格をもった退職代行サービスのデメリットにもなるのですが、弁護士は退職代行サービスがメインの仕事ではありません。言葉は悪いのですが、弁護士の中には「もっと重要な仕事があるのに」という思いから、退職代行サービス利用者に冷たい対応をとる弁護士もいます。 その点、弁護士資格のない退職代行サービスの場合、退職代行サービスそのものがメインの仕事になりますし、今の時代ネットの口コミで業績が左右される時代ですから、非常に丁寧に、退職代行サービス利用者の心細い気持ちに寄り添ったきめ細やかな対応をしてくれます。 3、相談はLINEやメールでもOKという業者が多い 弁護士資格のを持たない退職代行サービスの場合には、相談窓口は電話や実際に事務所に出向いた面談形式だけではなく、LINEやメールでもOKという業者が多いです。 退職代行サービスを利用することはとても勇気がいることです。もちろん、実際に退職代行サービス担当者に会ってお話しできれば良いのでしょうけれど、緊張してしまう人や面談の時間をなかなか確保できない人もいます。 そんな場合には、LINEやメールで相談できるということは気軽に利用できますし、申し込みまでの心理的なハードルも下がりますよね。 4、24時間相談OKという業者もある 弁護士資格を持たない退職代行サービスの場合には、24時間相談OK、という業者もあります。受付するだけではなく、深夜・早朝でも担当者からの返信があり、具体的に話をすすめていける業者もあります。 24時間受付・相談OKではなくても、深夜まで受付、相談対応可能という業者も多くみられます。昼間になかなか時間をとれない人にはとても助かるサービスですよね。

・弁護士資格のない退職代行サービスのデメリット

1、違法性の追求ができない 弁護士資格を持たない退職代行サービスでは違法性の追求はできません。たとえ勤務先が法律違反のブラック企業であったとしても、法律違反を盾に退職度届を受理するように会社に迫ることはできないのです。法律にまつわる行為は弁護士以外できないと定められているためです。 弁護士資格を持たない退職代行サービスができることはあくまでも退職届けを本人に代わって提出することのみです。 2、失敗する場合もある お伝えしたように、弁護士資格をもたない退職代行サービスは会社の違法性を追求することはできません。そのため、退職代行サービスを利用して退職届を提出したとしても、会社側が固くなに退職届けを受理しようとしなければ退職することはできないのです。 弁護士資格を持たない退職代行サービスでは、失敗した場合代行作業代金の返金サービスを設けている業者や、相談役として弁護士を置き、弁護士の指導のもと法律に違反しない範囲で会社側と交渉をしてくれる退職代行サービス業者もあります。 3、中には悪徳業者もいる 弁護士資格を持たない退職代行サービスの中には、悪徳業者もあります。代行作業料を請求しておいて、実際には退職届の代行をしてくれないという詐欺を働く業者もあります。 まだまだ新しく生まれてきた業種ですので、玉石混合が著しい分野と言えるでしょう。弁護士資格を持たない退職代行サービスを利用する際には口コミをしっかりチェックしたり、失敗した際には返金サービスはあるのかなど確認してから利用しましょう。

・弁護士による退職代行サービスのメリット

1、違法性を追求することができ、退職がスムーズ 弁護士は違法性を追求し、会社側と交渉することができます。たとえば、会社側が退職届の受理を渋った場合には法律と照らし合わせて、退職代行サービスの利用者がスムーズに退職できるように会社と交渉することができるのです。 退職届を受理しない場合だけではなく、自主退職ではなく懲戒退職にする、などと会社側から迫られている場合にも弁護士による退職代行サービスは利用者に有利に交渉してくれます。 2、未払い賃金がある場合は請求できる もし、未払いの賃金がある場合、もしくは正規の残業代金が支払われていない場合には弁護士による退職代行サービスを利用すると、賃金を請求することができます。 3、パワハラによる被害があると認められれば慰謝料を請求することもできる 弁護士による退職代行サービスでは慰謝料の請求も可能です。勤務先で著しいパワハラや聞くに堪えない暴言、もしくは暴力行為等があった場合には、弁護士による退職代行では慰謝料の請求も可能です。 万が一、暴言、暴力等があった場合には録音しておいたり、けがの部位の写真の撮影、診断書を取っておくと良いでしょう。慰謝料請求の際の証拠となります。 4、離職票の発行を促すことができる 会社を退職すると、離職票が発行されます。これは失業保険の受給のために必要な書類です。中には退職届を受理し、退職はできたものの、いやがらせで離職票を出さない会社もあります。 弁護士による退職代行サービスでは離職票をすぐに発行するように促すことが可能です。 5、スムーズに退職できる 弁護士は交渉のプロフェッショナルです。法律と照らし合わせて、会社側の違法性のある行為について追及することができ、退職希望者が有利に交渉を進めることができます。また国家資格である弁護士ですので、会社側にもプレッシャーを与えることができるので、比較的スムーズに退職できます。 弁護士資格をもたない退職代行サービスは退職届を本人に代わって提出することしかできません。ですので、会社側ともめることが多く、賃金の未払いなどの問題については交渉することができませんのでスムーズに退職できないこともあります。退職できたとしても未払いの賃金などについては泣き寝入りということもあり得ます。

・弁護士による退職代行サービスのデメリット

1、費用が高額になる 弁護士による退職代行サービスは弁護士ではない退職代行サービスと比べて費用が高額になってしまいます。 退職届けの代行だけではなく、未払い賃金の請求や慰謝料の請求も同時に行う場合には追加で料金がかかってしまうこともあります。 2、作業を後回しにされることもある 弁護士は退職代行サービスが本業ではありません。他にも多数のクライアント、たくさんの案件を抱えており、多忙な生活を送っています。 もしも退職代行をお願いした弁護士が、他に大きな案件を抱えている場合には退職代行の作業を後回しにされてしまう可能性もあります。 3、敷居が高い 弁護士に相談というと、非常に敷居が高い感覚があります。そのため退職代行サービスを依頼することにためらってしまうこともありますね。 4、相性が合わない場合がある 退職代行サービスをお願いした弁護士が、自分とは相性や価値観が合わないこともあります。会社側に自分の要求を伝え、スムーズに退職するためには、何人かの弁護士と会い自分の考えや価値観の合う相性のよい弁護士に依頼するようにしましょう。 5、弁護士によって退職代行サービスの向き、不向きがある 弁護士にも得意な分野、不得意な分野があります。家庭問題は得意でも、労働関係は不得手という弁護士もいるものです。 退職代行サービスを依頼する場合には、労働関係に強い弁護士に依頼するようにしましょう。 ●弁護士資格を持たない退職代行サービスはどんな人におすすめ? 弁護士資格を持たない退職代行サービスは、賃金の未払いやパワハラによる暴力・暴言による慰謝料の請求がなく、また会社側も退職にスムーズに応じてくれそうな見通しがある場合におすすめです。 弁護士資格のない退職代行サービスは、退職届を本人に代わって提出することしかできません。もし、会社側が退職届を受け取ることを拒否した場合、受け取るように交渉することはできないのです。 なんらかの事情があって自分で退職届を提出できない、提出しにくいという人には弁護士資格を持たない退職代行サービスはおすすめです。

●弁護士による退職代行サービスはどんな人におすすめ?)

弁護士による退職代行サービスは、これまでに自分で退職届を提出しても受理されなかった人や、退職届の提出と同時に賃金の未払いや慰謝料の請求を行いたい人におすすめです。 また退職代行サービスを利用して退職できたけれど、離職届を発行してくれない、年金や税金関係について不透明な面がある・対応してくれないという方におすすめです。

●退職代行サービスの選び方

弁護士による退職代行サービスでも、弁護士資格をもたない退職代行サービスでも、お金を払う以上どの会社、どの弁護士を選ぶのかはとても大切です。退職代行サービスの選び方についてご説明します。 1、弁護士の退職代行サービスが良いか、弁護士資格を持たない退職代行サービス業者が良いか? 退職代行サービスを利用する場合には、まずは弁護士があった方が良いか、なくて良いのかを検討しましょう。 弁護士の退職代行サービスと、弁護士資格のない退職代行サービスのメリット、デメリット、どのような人におすすめなのかはこの記事でもご説明しています。 この記事を参考、自分の場合は弁護士による退職代行サービスが良いか、弁護士資格のない退職代行サービスがよいのかを検討してみましょう。 2、価格を検討する 退職代行サービスを利用するにあたって、誰しもが予算があると思います。自分の予算内で、自分の希望する内容を提供してくれる業者、弁護士を選ぶことが大切です。一般的に弁護士資格のない退職代行サービスよりも弁護士による退職代行サービスのほうが高額になっています。 とはいえ、あまりに安すぎる、あまりに高すぎる業者、弁護士は考え物です。いくつかの弁護士、業者の退職代行サービスを検索したうえでまずは相場を学びましょう。 弁護士資格を持たない退職代行サービス業者の場合、失敗した場合の返金サービスがある業者もあります。万が一を考えて、保証のある退職代行サービスを選ぶのも良いでしょう。 3、どれぐらいの期間で退職できるのかを検討する 退職代行サービスの利用後、どれぐらいの期間で退職できるのかを検討しましょう。トラブルは早期に解決してしまいたいものですよね。 退職代行サービスに申し込みの後、どれぐらいの期間で着手可能なのか、また着手後はその日のうちに退職可能なのか、即日退職ができない場合、どれぐらいの日数がかかるのかを確認しておきましょう。 中には即日退職可能という業者もありますが、これは申し込み日のうちに退職可能ということなのか、着手日に即日退職可能ということなのかをあらかじめ確認しておくと良いでしょう。 弁護士による退職代行サービスの場合には、その弁護士が抱えている仕事が多くてすぐには手が回らないということもあり得ます。着手までにどれぐらいの日数がかかるのか確認のうえ、自分としては何日までに解決してほしいのかということも伝えておきましょう。 退職日は失業手当の受給にかかわります。退職できるのならいつでも、ではなく、明確に「この日までに退職したい」と意識を持つことも大切です。 4、連絡のとりやすさ 退職代行サービスを利用するにあたって、自分の希望通りに退職するためには代行弁護士、代行業者との密な連絡は大切です。連絡が行き違えば行き違うほど、退職日は後に後にとずれこんでしまいます。 弁護士や業者の連絡対応可能な時間帯が、自分も連絡をとれる時間帯であるのかどうか、また、連絡方法は電話のみなのか、メールやLINE、場合によっては実際に会って相談できるのかどうか。自分にあった連絡方法で連絡できるかどうかを事前に確認しておきましょう。 5、成功率はどうか 弁護士資格を持たない退職代行サービス業者の場合、違法性を追求したり交渉したりすることはできません。弁護士資格を持たない退職代行サービスは、あくまでも本人に代わって退職届を提出することしかできません。 そのため弁護士資格を持たない退職代行サービスの場合には、失敗してしまうこともあります。利用してみようかな、と検討中の業者があればネットで口コミを検索してみたり、実際に利用してみた人の体験談を探してみましょう。 また弁護士による退職代行サービスであっても労働関係の交渉に不得手、不慣れな弁護士だとスムーズに進まない場合も考えられます。弁護士に退職代行サービスを依頼する場合には、HP上でその弁護士のプロフィールやこれまでに手掛けてきた案件を確認するようにしましょう。 6、本当にその業者は存在するのかどうかを確認する 退職代行サービスはここ最近出てきた新しいサービスです。そのため、まじめでまともな業者だけではなく、詐欺のような業者も存在すると考えられます。まだ国の整備も整っていないので、まともな業者かどうかを確実に確認する方法はありません。 ホームページ上に会社案内があるかどうか、代表者の氏名や会社の所在地が明記されているかどうかを確認しておくことは大切です。 自分が利用しようとしている業者は本当に存在する業者なのかどうか。ネットで口コミや利用体験談をきちんと確認してから申し込みをしましょう。

●退職代行サービスを利用する前にやっておくべきこと

退職代行サービスは、退職届を自分に代わって提出してくれるサービスです。弁護士の場合には、退職届の代理提出のほか賃金の未払いや有休休暇の取得に関するトラブルの解決、パワハラ等があった場合の慰謝料請求も同時に行ってくれます。 しかし、無事に退職できた後の保険や年金、失業保険の手続きは自分で行うものです。あらかじめどのような手続き、どのような書類が必要なのかを調べておいて、退職後はすぐに動けるようにしておきましょう。 また、現在社宅に住んでいる人は退職と同時に社宅を出ないといけません。次の住まい探しや引っ越しの準備は計画的に進めましょう。また住宅手当をもらっている人は、住宅手当がなくなってもその住居に引き続き住むのかどうかも決めておきましょう。

●もしも、退職代行サービスを利用しても退職に失敗してしまったら?

退職代行サービスを利用しても、退職できない場合もあります。もし退職代行サービスを利用しても退職できなかった場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。 ・損害賠償を請求される可能性も 万が一、退職代行サービスを利用しても退職できなかった場合、会社側から損害賠償を請求されることも考えられます。 本来は出勤すべき日に出勤せず、本来の行うべき職務を果たさなかったため会社側に不利益が生じた、との理由で損害賠償を請求されることもあり得ます。 ・会社からいやがらせを受ける可能性も もし、退職代行サービスを利用しても退職できなかった場合、会社からいやがらせを受ける場合もあります。これまでよりも身体的にきつい部署へと転属を命じられたり、一方的に理由をつけて給料が引き下げになることも考えられます。また同僚との関係もぎくしゃくしてしまうことも考えられるでしょう。 弁護士資格を持たない退職代行サービスの中には、退職できなかった場合には返金保証をしている業者もあります。しかし、もし本当に退職代行サービスを利用して退職できなかった場合、返金保証どころではない不利益をこうむってしまうこともあります。 退職代行サービスを利用する際には、どの業者、どの弁護士に依頼するかは本当に大切です。1日でも早く退職したいばかりに勢いで申し込みをしてしまいがち。各社をしっかり比較・検討したうえで、冷静になって申し込みをするようにしましょう。

●退職代行サービスって違法じゃないの?

そもそも、自分以外の第三者が退職の意思を会社に伝えることは違法にはならないのか、と不安になりますよね。 ご安心ください。第三者が会社に自分の代わりに退職意思を伝えることは違法となりません。たとえば、何かしらの事情があって本人に代わって家族が会社に退職意思を伝えることは違法にはなりませんよね?それと同様です。 しかし、弁護士によらない退職代行サービスを利用する場合、いくつかのケースで違法になってしまう可能性もあり得ます。次の項目でご紹介します。 ●弁護士資格を持たない退職代行サービスが違法になってしまう場合 弁護士法の72条において 「(引用)弁護士でない者は報酬を得る目的で法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない」 と定められています。 これはつまり、弁護士ではない人が費用を請求したうえで法律に基づいた交渉や和解の仲裁をしてはいけない、という意味です。 弁護士資格をもたない退職代行サービス業者が、本人に代わって退職したいという意思を会社に届け出るという行為そのものは非弁にはあたらないため、違法性はありません。 しかし、もし会社が退職届を受理しなかった場合、弁護士資格を持たない退職代行サービスが「受理するように」「受理しないことは法律違反だ」などと交渉することは非弁にあたり違法となる可能性もあります。 また退職日や退職金の取り扱いを本人に代わって退職代行サービス業者と会社で話し合いを行うことは交渉にあたるので、非弁行為となってしまうこともあります。 賃金の未払いの解決や有休休暇の取得について、パワハラ等による慰謝料の請求について法律事務にあたるので、弁護士のみが取り扱える仕事です。 仮に、非弁行為を行っている退職代行サービスを利用したからといって、利用者が法律違反に問われることはありませんが、参考人として取り調べを受ける可能性がありますし、気持ちの良いものではありませんよね。 弁護士へ退職代行サービスを申し込む際には大丈夫ですが、弁護士資格を持たない退職代行サービス業者へ依頼する場合には、その業者が扱っている業務内容が非弁行為に当たらないかどうかを事前に確認しておくと、トラブルを回避することができます。

●退職代行サービスを利用する前に退職について学んでおこう!

一口に退職、退職と言いつつも、具体的には退職とはどのような状態を指すのか、また退職まではどのような手続きを踏むのか一般的なのかをあらかじめ学んでおきましょう。 ・退職届と退職願のちがいは? 退職届、退職願、どちらもよく聞く言葉ですが、それぞれ違いはあるのでしょうか。違いを一口に言ってしまえば「退職の意思を撤回できるか、できないか」が大きな違いです。 退職届の場合には、退職したいという明確な意思を労働者から会社側に伝えるものです。そこに会社側の意思が反映されることはなく、労働者からの一方的な意思の表明、届け出と言えます。一度受理された退職届は、撤回することはできません。 たいして退職願の場合には、「退職したいと思っていますが、いかがでしょうか」と労働者から会社側にお伺いを立てることを言います。退職願の場合には、会社側の「退職を了承しました」という合意があって退職となります。労働者による一方的な意思表示ではなく、会社との合意があって退職、という形がとられます。また退職願の場合には受理された後も退職を撤回することが可能です。 退職届のほうが、退職願よりも、より強い退職の意思を伝えられるものだ、と考えておくと良いでしょう。 退職届も退職願も退職理由は自己都合となります。自己都合の場合には、失業手当の受給まで猶予期間が発生します。その点も踏まえて退職の際にはお金の管理もしっかり考えておきましょう。 ・会社側が退職届、退職願を受け取らないことは違法になるの? 退職届、退職願ともに、労働者から提出された届出を受け取らないことは違法になります。 ですから退職したいのに退職届が受理されない、もしくは退職届の用紙を会社の責任者が労働者の目の前で破ってしまうという行為は違法なのです。 ・退職届、退職願はいつまでに提出すればいいの? 法律においては、退職届・退職願を提出してから2週間後経過すれば退職可能とされています。 しかし、多くの企業においては退職届、退職願の提出時期はそれぞれの会社で就業規則によって定められています。就業規則で退職届、退職願の提出時期が定められている場合には、就業規則による定めが優先されるとされています。退職を考えたら、まずは就業規則を確認しましょう。 ・退職後には離職証明書が発行される 無事に退職が決まり、退職したあとは会社から離職証明書が発行されます。退職証明書がないと失業保険や再就職の際の手当金の給付を受けることができません。また退職後ハローワークでの職業訓練を予定している人は、離職証明書がなければ参加することができません。 離職証明書は会社側が労働者に対して発行するものです。離職証明書の発行は法律によって定められています。万が一、離職証明書を発行しない場合や、労働者からの請求に対して拒んだ場合には違法となるのです。 もし離職証明書が発行されない場合には一度会社に問い合わせたうえで、発行拒否された場合には弁護士に相談しましょう。 退職代行サービスには弁護士資格を持たない業者によるもの、もしくは弁護士によるものの2種類があります。弁護士による退職代行サービスのほうが取り扱える業務が広く、トラブルの解決交渉も行ってくれますが、費用が高いことがデメリットです。弁護士資格をもたない退職代行サービス業者の場合には、費用が安いことが何よりのメリットではありますが、違法性の追求やトラブルの解決は弁護士法違反にあたってしまいます。 どちらにもメリット、デメリットがあります。メリット、デメリットをしっかりと把握したうえで、自分はどちらの退職代行サービスに申し込みするのかを決めるようにしましょう。 トラブルを回避し、1日でも早く気持ちよくすっきりと退職できると良いですね。
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